こんにちは!薊野西町のトリアス鍼灸接骨院の渡邊です

 

「断食」

というと修行僧をイメージする方が多いと思われますが、

ここでいう断食は本格的に何日もするものではなく、

一食または二食抜きあるいは一食の量を極端に減らすという程度のものです

言わば「プチ断食」です

 

断食は腸、特に小腸の中身を減らすことになります

 

小腸の働きは「食物の消化」と「栄養素の吸収」ですが、

もう一つ大事な働きに「免疫機能」があります

腸にはなんと免疫細胞の70%が集まっているそうです

さらにほとんど知られてない(医学的に認められてない)ことですが

小腸は造血器官であるということ(千島学説)

 

造血は骨髄でおこなわれるというのが常識になっていますが、

もちろん骨髄でも造られていますが、

主は小腸ではないかと個人的には思っています

 

私が断食に興味をもったのは十数年前です

患者さんや自分の身体の不調を観察してみると、

腸の不調と一致していることが多いことに気付いたからです

 

その当時、甲田光雄先生の著書「断食療法の科学」を読んで衝撃を受けました

その本には常識的(合理的)なことが実は体を害し、

非常識的(非合理的)なことが結果として正しい治癒力を促すという内容でした

 

面白い例では、「鼻血がでたら強く鼻をかむ」というもの

普通鼻血が出たらティッシュで鼻栓をして上を向きますよね

子供のころからよく鼻血を出していた私は、早速ためしてみました

なんと鼻栓するより圧倒的に早く出血が止まったのです

一度だけでなく何度もためしました(笑)

注:もちろん出血性の疾患のある方はNGです

 

他にも常識を覆すことがたくさん書かれていて、

それからは常識を鵜呑みにしてはいけないと考えることが多くなりました

 

当院のスタッフが体調不良の時、

例えば腰痛、寝違い、口内炎、のど痛等の症状が

ある時、私は「断食」しなさいと助言します

皆はなんでも「断食」?と私が冗談で言っている

と思っているみたいなのですが当の私は実は大真面目に言っています

 

腰痛や寝違いはその部位の筋肉が過緊張を起こし

痛みを誘発していることが多いのですが、

内臓(腸)が不調を起こすと抑制信号が出て筋肉の動きを制限します

 

少しニュアンスが違いますが、

例えば100m競争をする直前に満腹に食事をした場合を想像して下さい

とても全力では走れませんよね

 

これは腸の消化活動を優先するために、

筋肉の活動を制限しているからなのです

 

どこか体の筋肉が過緊張している時は、

内臓から抑制信号が出ている可能性が高いので、

食事量を減らし内臓(腸)を休ませてあげると、

抑制信号が弱くなり、筋肉が正常な状態に戻りやすくなります

 

もちろん体のバランスも崩れているはずなので、

構造的なアプローチ、鍼やマッサージをすることで

血流改善や筋緊張を軽減させることは大前提です

 

また口内炎やのどの痛みなどは炎症を起こしているものなので、

抵抗力(免疫力)を高める必要があります

 

そこで小腸が消化、吸収の作業に使うエネルギーを温存し、造血、免疫機能が

より効率よく働ける状態にすることが望ましいのです

 

では、なぜ断食(食減らし)かというと、

要は普段が食べ過ぎているからです

 

一日三食が常識の今日、お腹が空いていなくても時間がくれば食事を摂る

人にもよりますが十分消化出来ていない状態で、次の食事を摂っています

 

こういう状況が常態化すると、内臓(小腸)の働きは鈍化し、

病気ではないがいろいろな身体の不調の原因となって行きます.

 

現代病を思い浮かべて下さい

高血圧、糖尿病、肥満etc、ほとんどが摂り過ぎが起因しています

 

昔から「腹8分目に医者いらず」「腹12分目に医者足らず」といわれます

食べ過ぎてなければ病気になりませんよ、

食べ過ぎていたら医者にかかっても治りせんよ、ということです

 

人体(動物)は飢餓には耐えうる創りになっている

(もちろん難民のような状況は別です)そうですが、

飽食には耐えれない創りになっていると何かで読んだ記憶があります

 

著名人には、一日一食の方が結構多いと聞きます

食事は栄養補給のため大事な活動であり、また楽しみなことでもあります

 

むやみに食を減らせとは言いませんが、一度食習慣を見直すことも大切だと思います

注:食事制限をしてはいけない病気の方はもちろん対象外です

 

余談ですが「水野 南北」という江戸時代の観相家

(容貌・人相で人の運命を判断する人)が、

飲食の量で運命までも変わってしまうと言っています

なぜか納得してしまう私です