こんにちは!

薊野西町のトリアス鍼灸接骨院の渡邊です。

 

「荷物を持ち上げたら」「前かがみになったら」

「くしゃみをしたら」「体を捻ったら」

よく聞く「ぎっくり腰」になった時の状況ですが、

実はこれらは

主たる原因ではなく引き金にすぎません。

なぜなら、このような体の動きは

日常茶飯事にやっている動作であり、

これらが原因であるなら頻繁に

ぎっくり腰になってしまいます。

 

なぜ同じ動作をしているのに、ぎっくりになる時とならない時があるのか?

ひとつは、体のバランスの状態の違いにあります。

体に捻じれ、特に骨盤や股関節に

アンバランスがある状態で前かがみ等の動作をすると、

腰の筋肉に強いストレスがかかり、痛める原因となります。

 

例えると、

濡れたタオルをぎゅっと絞ると硬くなりますよね?

体も捻じれると筋肉が絞られた状態となり、

硬くなり伸びにくくなります。

この状態で前かがみになったり、

くしゃみをすると伸びにくくなった筋肉は

無理に伸ばされることとなり

痛めてしまうわけです。

要は筋肉が伸びやすい状態か、

伸びにくい状態なのかの違いということです。

 

もうひとつの原因となるのが

「内臓-体性反射」による筋肉の緊張です。

神経は大別すると中枢神経(脳・脊髄神経)

抹消神経に分かれ、

抹消神経系は体性神経系と自律神経系に分かれます。

「体性神経」というと聞き馴染みがありませんが、

運動神経と知覚神経のことです。

 

「内臓-体性反射」とは

内臓の不調があると自律神経を介して

体性運動神経に伝わり筋肉が緊張するという現象です。

 

例えると

飲み過ぎ、食べ過ぎが原因で

胃腸が疲れると背中が張ってくるという経験は

みなさんあるのではないでしょうか。

胃腸、特に腸(小腸・大腸)が

食べ過ぎ等により機能低下を起こすと、

腰から背中の筋肉が張って緊張状態になります。

 

ここで言う「食べ過ぎ」とは

暴飲暴食はもちろんですが、

単純に量が多いというだけではありません。

腸が弱って機能低下を起こした状態では

消化の処理能力が低下しているので、

量が少なくても「食べ過ぎ状態」となります。

 

ごみに火をつけて燃やしている時、

少ない量では炎があがりよく燃えますが、

次から次にごみを入れると炎が消え

不完全燃焼になり、

煙まみれになりますよね。

腸も同様で機能低下を起こしている時は

消化が追いつがず、動きが停滞し、

お腹が張ったり、ガスが大量に発生したりして

体調不良になります。

ただ、お腹が痛いとか下痢や便秘するとかの

症状がなくても、

機能低下(処理能力の低下)が起こっていることは

よくあることだと私は考えています。

なので、食事を普通に食べられていると

機能低下に気づかず、

食事の量を普通に摂り続けてさらに

消化機能を低下させ、

内臓-体性反射を強く起こしてしまうことがあります。

 

この「内臓-体性反射」は特別なことではなく、

日常的に起こっています。

例えば食事をした後は体が重く感じたり、

動くのが嫌になりますよね。

腸の機能低下がある限度を超えた時

「内臓-体性反射」が強く起こり、

筋肉の過緊張を招き「ぎっくり腰」の

お膳立てとなります。

 

少し説明が長くなりましたが、

腸が機能低下を起こすと

腰の筋肉が張ってきてぎっくり腰を起こす

原因となりうるということです。

 

ぎっくり腰(急性腰痛)の方には

電気、鍼等を施し

筋肉の緊張を和らげていきますが、

私は食事を控えめにして腸を休ませるように

アドバイスをしています。

 

それが筋緊張を軽減させるための

早道だと考えているからです。

食べ過ぎは万病の元です、

度々ぎっくりになる方、いつも身体が重い、

だるいと感じている方は

是非食生活の見直しをおすすめします。